プロフィール

永田美保子の経歴について

永田美保子ながた・みほこ
20年以上のエグゼクティブ担当秘書経験を生かして、2015年4月より独立し、秘書育成コンサルタントとして活動しています。

社会人となってからの初仕事と海外体験

大学卒業後、自動車メーカー研究所勤務・米国系消費財メーカーの日本人エグゼクティブ秘書を経て、英国へ語学留学。

新卒で入った自動車メーカーでは、当時、地元採用の女子には今でもそうでしょうが、特に風当たりが強く、長くは働いて欲しくない空気をひしひしと感じていました。その企業体質や風潮に絶望して米国系消費財メーカーの日本人エグゼクティブ秘書として転職。
ところが、できると思った英語が全く役に立たず、一念発起して英国へ語学留学。
日本に帰国後、英会話学校勤務を経て北欧フィンランドでの仕事を見つけ、念願のヨーロッパでの仕事だったので、やりがいを感じつつ楽しんで仕事をしました。ここでは、フィンランドとスウェーデンを結ぶ定期航路大型客船にキャビンクルーとして乗務し、契約を終了して帰国。

外資系企業の社長秘書・一部上場企業へ

帰国後に就いた仕事は外資系企業、日本支社での社長秘書。
そこは台湾の大企業のPC部門子会社であり、新製品で日本のIT系企業から注目されていました。台湾本社への顧客アテンドで出張に行く機会を得るなど幅広い業務を任されていました。

その後、一部上場企業で外資系企業出身の代表取締役副社長付秘書となりました。ここでは大企業でオーナー企業の秘書ならでは、いわば泥臭い業務もあることを改めて身を以て学ぶ良い機会となりました。外資系と日系でここまで秘書の仕事内容が違うのかと驚いたものです。

外資系企業エグゼクティブ秘書時代のあれこれ

一番長く勤めた米系合弁企業ではエグゼクティブサポート業務に2014年10月まで携わり、日本人・外国人役員を担当するエグゼクティブ秘書歴は通算20年以上に及びます。

担当した外国人上司の出身地はトータルで7カ国(地域)以上に及び(英国・米国・台湾・ベルギー・カナダ・ドイツ・オーストラリア・ブラジル等)各上司のお国柄・人柄を踏まえて、家族に対しても日本滞在中の幅広いサポートを提供。

海外本社でヴァイスプレジデント以上のエグゼクティブというと、ポジションが高い人というイメージですが、秘書は役員一人だけを担当しているわけではありません。常に数名の上司を一人の秘書が同時進行でサポートしていました。効率良く、かつ抜けがないように業務を進めるためにはエグゼクティブ上司本人にも協力いただく必要がありましたが、お互いのコミュニケーションがうまく行き、とても仕事がやりやすい環境を与えてもらえました。

スケジュール管理といっても非常に守備範囲が広く、エグゼクティブ本人が担当しているビジネス(事業本部)にまつわる会議や、イベントの手配を他部署アシスタントたちと協力して行うことが多く、常に「プロジェクトチーム」で動いているような仕事でした。

オフサイト会議のアレンジやビジター(同じ企業の海外支社から来ている出張者)の対応などでは、大変なことも多かったものの、重役含め本当に個性豊かなメンバー達との出会いがあり、学ぶことが非常に多く貴重な体験でした。
一部の外国人上司の日本での任期終了の際は、「国に連れて帰りたい」と言われるほどの評価をいただくこともありました。

急な退職、キャリアの再構築

2015年独立後、自身が在宅秘書として半年間活動。この時に、企業勤務でのエグゼクティブ対応と、小規模企業の経営者のサポート業務とでは、仕事の進め方や秘書の役割が全く違うことを痛感しました。例えば在宅秘書を必要とするような小規模企業の経営者である上司の方は、今迄秘書を使った経験のない方がほとんどです。自分でこなしてきた仕事を、秘書に説明したり指示したりするという事が、上司にとっては最初に体験する大きなハードルとなる、ということです。また、秘書の仕事内容に対する価値感の違いから、とにかく時間をかけずにコストがかからないように、という指示を頂くことも多く有ります。結果、丁寧に礼儀を重んじて仕事をする習慣のある元秘書に取っては、上司の為に役に立ちたいのに役に立てない、信頼関係が築けない、というお互いに残念な結果となります。上司にとっても、秘書を上手く活用できないことでフラストレーションがたまります。私は独立して経営者、秘書両方の立場が理解できるようになったため、自身の体験を元に、経営者の立場も理解しつつ、在宅秘書の方が実力を発揮できる環境でキャリアを活かしてもらえる場を作ろうと、在宅秘書育成講座もスタートしました。

秘書育成コンサルタントとして本格的に活動開始

現在、特に現職・元秘書の方、秘書への転職を考える方対象のスキル面・マインド面にも配慮し、現場での長年の経験を生かした、具体的で仕事に即役立つ段階別の秘書育成セミナー(上級秘書セミナー、中級秘書セミナー)を定期的に開講しています。また、外資系・日系両方の企業で役員秘書を経験したことから、秘書にしかわからない孤独感、悩みに共感しつつ目の前の問題を解決する「帰るときは笑顔になっている」個人コンサルティングを提供しています。

さらに、専門職としてのエグゼクティブ秘書について理解を求めるための情報発信を著書・コラム・ブログを通して続けています。